悠久の風に吹かれて

Blowin' in the Eternal Wind

インド旅行2 カジュラホ遺跡公園

カジュラホの遺跡を観光します

 

次の日はホテルのレストランで簡単な朝食を済ませました。あんまり期待してなかったアイスコーヒーが甘いけど以外と美味しくてびっくりしました。そのあと準備をしていよいよ西群の寺院があるカジュラホ遺跡公園に徒歩で向かいます。カジュラホの目玉と言えるのが、複数の寺院が建っているカジュラホ遺跡公園です。ですが、入り口が少しわかりにくいところにあり、またチケットの販売方法もちょっと変わっていたので、色々戸惑ってしまいまいた。

カジュラホ遺跡公園の入口

カジュラホのメインの道路(ジャイン・マンディア・ロード)を西の方に進んで、突き当り周辺にゲートと建物があります。Google Mapなどで下調べをして、てっきりここが入り口だと思っていたのですが、実際に現地に行って見るとチケット売り場らしきところは閉鎖されており、出口専用のゲートになっていました。

 

なんか貼り紙がしてあり、南へ行ったところに入り口があると表示されていたので、公園の柵に沿ってあたりを探してみたのですが、一向に入り口が見つかりません。そうして付近をウロウロしていると、インド人の学生らしき青年が入り口を教えてあげるよ、と声をかけてくれました。はじめは詐欺がなんかにあうんじゃないかと警戒していたのですが、彼について行くことにしました。なんか自分は学生で英語の勉強をしていて、実際に海外の人と英語で話してみたいなどと、他愛のない話をしながら、無事入口まで連れて行ってくれました。疑ってゴメン。

 

実際の入口は出口から300mほど南に歩いたところにあり、シブサガー湖の向こう側でした。

 

 

遺跡公園チケットの買い方

無事入り口までたどり着いたので、今度はチケット購入です。チケットを購入するためには、以下の3つのものが必要です。

  • スマホとネット環境
  • パスポートNo.
  • クレジットカード

公園入り口のゲートを入ってしばらく進むと左側に看板のようなものがあり、そこにQRコードが表示されてあります。そのQRコードスマホで読み取ると、チケット販売サイトに飛ぶことができます。その販売サイトでパスポートNo.と名前やメールアドレスなどを入力し、クレジットカードで決済すると、これまたQRコードの記載されたメールが送られてきて、これが入場チケットとなります。ちなみにこの看板以外に建物などはなく係の人もいません。チケット購入方法は上記方法のみとなります。

 

私はスマホを持っていたのですが、ahamoのローミング回線でした。デリーなどの大都市では4Gで繋がったのですが、カジュラホのような田舎の町では電波状態が悪く、アンテナがE(2G)表示となっていて、遅くてほとんど使い物になりません。おまけにクレジットカードはホテルに置いてきて、その時は持ってなかったんです。

 

チケット販売の看板の前でどうしようかとまごまごしていると、横から親切なインド人のおじさんがこうしろ、ああしろと色々と教えてくれます。最初係の人かな?と思いましたが、なんか違うようです。そうこうして決済画面まで辿り着きましたが、クレジットカードがないのでそれ以上進めません。カードを持ってないことをおじさんに説明すると、ついてこいと言われ入り口のゲートまで一緒に戻り、入り口でたむろしていた若者に何やら説明しだしました。どうやらその若者がチケットを代理購入してくれるようで、チケット代550ルピーを払い、チケット画面をスマホで撮影させてもらって、なんとか購入できたのでした。

 

撮影したチケット画面

 

無事チケットを買って、おじさんにお礼を言い、ようやく中に向かいましたが、おじさんはずっとついてきて何やら話しかけてきます。どうやら彼はガイドで、自分を雇えと言っているようです。チケット売り場で客が来るのを待っていて、公園の中で自分がガイドするためにチケットの買い方を色々教えてくれたのでしょう。進んでいくと左手に手荷物検査のカウンター(というかただのテーブル)があって2人の係員が待機していました。チケットを見せると荷物を検査されましが、カバンの中も良く見ず適当な感じです。その後もおじさんの売り込みは続いたのですが、ガイドは要らないと逃げるようにその場を離れて中へと向かいました。

 

シブサガー湖から見る遺跡公園

入口ゲートで自撮り棒没収

シブサガー湖をずっと迂回してゆくと、今度こそちゃんとしたゲートとその脇に小ぶりな建物があり、中に2人のインド人女性がいました。荷物検査をするので、カバンを出せと言われました。さっき検査したのに、またするのか?と思いましたが、背負っていたカメラバッグを渡すと、今度は何やら念入りに中身をチェックしています。そしてバッグの中から自撮り棒を見つけ、「これは規則で公園内に持ち込めないので、ここで預かっておく」と没収されてしまいました。

 

実は後日、ブバネーシュワルの寺院で自撮り棒で撮影している時にも、警備員が飛んできて即刻自撮り棒の使用を中止するよう、警告されたことがありました。理由は定かではありませんが、インドの観光地では自撮り棒使用が制限されているようなので、インドに旅行する時は気をつけてください。

 

こうして四苦八苦してようやく公園内に入れたのですが、一つ感じたのは、外国人の観光客に優しくないなー、ということです。普通なら最初見た出口ゲートに入り口の地図を載せておくとか、チケット購入方法もWebでの販売だけでなく、現金で紙のチケットが買えるとかしておきますよね? 観光に来たインド人は最初から知っているようで、困っている人はいませんでしたが…。インドを旅していると、あちこちでこの「外国人の観光客に優しくない」感じに出会いました。「郷に入っては郷に従え」というかインドにきたらインド流を学習しろってことでしょうか?しかし、公園内には目を見張る素晴らしい遺跡が建ち並んでいて、それまでの苦労もすべて吹き飛んでしまうのでした。アメージング、インディア!

 

パールヴァーティー寺院とヴィシュワナート寺院

警備員ガイド登場

公園の中に入ると、最初に最も有名なカンダーリア・マハーデーヴァ寺院を見学することにしました。カメラを取り出して写真を撮っていると青い制服を着た警備員の人が近づいてきて、片言の英語で声をかけられました。そして、手に持ったミラーで太陽光を反射させて、あそこに有名な彫像がある、こちらにもこんな彫像がある教えてくれるんです。その後は、隣のデーヴィー・ジャグダンベ寺院にも連れて行かれて彫像の説明をしてくれます。しかし、その解説というのが、これは3Pプレイをしているとか、これはオーラルセックスをしているとか、彼女らはレズビアンであるとか、エロチックなミトゥナ像の紹介ばかりで、少々辟易しました。こんなのを聞いて外国人観光客は喜ぶんだろうか?

 

ミトゥナ像

 

その後も彼はスマホで私の写真を撮ってくれたり、寺院の中を案内してくれたりといたれりつくせりのサービスです。他にもインド人の観光客がいっぱいきているのに、彼らには一顧だにせず、私を案内してくれます。流石にこの辺りで鈍い私も気づきました。彼は警備員からガイドに変身して、小銭をせびろうとしていたのですね。かれこれ30分くらい付き添ってくれてるし、写真も何枚か撮ってもらってるので、最後にカンダーリア・マハーデーヴァ寺院の内部を案内してもらった後に、チップを100ルピー渡して別れました。警備員の制服を着ていたので完全に油断していましたね。

セルフィ!セルフィ!

警備員ガイドの人と別れた後は、他の寺院の方へ移動して写真を撮っていました。写真を撮影してると、見知らぬインド人が声をかけてくるのですが、なんかよくわからないので無視していました。でもあまりにも色々な人から声をかけられるので、よく聞いてみるとセルフィ!セルフィ!と言っていて、どうやら私と一緒に写真を撮りたいようです。日本人がそんなに珍しいのかなぁ?思い返してみるとカジュラホの町では、一度も日本人に会わなかったし、西洋人も少ししか見かけませんでした。いっしょに写真を撮ってあげると満足したようすで去っていきました。遺跡公園にいる間に高校生の修学旅行みたいなグループやら、家族づれやら、若い男の子の2、3人のグループやら、いろんな人といっしょに写真を撮りました。

 

筆者とインド人の若者

 

そういえば、こんなこともありました。若いカップルとその男性の妹らしき人の3人連れがいて、寺院を撮影している時に何度かすれ違っていたんですが、寺院と寺院の間の通路を移動中に声をかけてきました。「そのカメラで我々の写真を撮ってくれないか?」と言ってきて、これはまた新手のパターンだなと思いましたが、言われた通り私のカメラで写真を撮ってあげました。写真を見せてと言われ、カメラの液晶モニタを見せてあげると、今度はe-メールで自分のスマホに写真を送ってくれと言われました。なんという厚かましさ!。ちょっとびっくりしましたが、日印友好交流のためと思い、e-メールのアドレスを教えてもらって、ちょっと今は送れないので、ホテルに帰ってから送ってあげると約束して別れました。しかし知らない人に自分のメルアドを教えるなど、日本では考えられないですよね?知らない人には興味を持たず、あまり干渉しない日本とは違い、インドでは人と人の距離がずっと近いように感じました。そしてこの手の厚顔なインドの人たちには、その後も2,3度遭遇しました。

 

かましカップ

遺跡公園に着いてから2時間以上がたち、そろそろ手もちのミネラル・ウォーターが少なくなってきました。カジュラホはインド中部とはいえ、気温は30度以上と結構高くて、歩いたり活動していると喉が渇きます。しかもミネラル・ウォーターのボトルの水はとっくに常温になってしまって、単に喉を潤す以外の機能は持ちません。公園内を歩いていると水飲み場みたいなのがあり、インド人はみんなそこでゴクゴク水を飲んでいます。そのうまそうなこと!旅行前にガイドブックを読むと、インドでは絶対に水道水を飲んではならない!戒められて、飲んだ人の下痢体験記なども多数掲載されています。妻にも水道水飲むのと、野良犬だけは触るな!ときつく指令を受けました。しかし繰り返しますが、インド人はみんなそこでゴクゴク水を飲んでいるんですよ。かたや私はぬるいミネラル・ウォーターがちょびっとだけで、喉はカラカラ。

 

とりあえず水飲み場に近づいてみました。水飲み場は蛇口が3つあって、後ろには小さな小屋があります。小屋の中を窓からのぞいてみると、なんと直径2メートルほどの大きなタンクが設置されていて、そこから飲料水が供給されているようです。つまりこの水は水道水ではなく、どこからか運ばれてきているということです。しかも、タンクの隅々まで穴の開くまで見つめていると、RO Waterという文字が書いてあるような気がしました。ROとは逆浸透膜のことで、分子レベルで不純物をろ過できるので、細菌などが残留することはありません。ここまで確認した後、意を決してインド人に混ざって水を飲むことにしました。冷たくて、うまーい!散々飲んだあとで、ボトルのぬるい水を捨て、中身を入れ替えました。我ながら、なかなか素晴らしい判断力でした。それからしばらくして寺院を観光したあと、再び水場で水を飲みました。冷たくておいしい水が飲み放題なんだから、いっぱい飲まなきゃ損!そこに、たまたま日本語のできるインド人ガイドが通りがかって、「あなた日本人?そんな水飲んでだいじょうぶ?」と憐れむような顔で言われました。しかし幸いなことに、その後の旅行でもインドで下痢になることはなかったんです。

 

寺院すべての観光が終わり、入り口ゲートで自撮り棒を返してもらってから遺跡公園をあとにしました。私が思い描いていた通りの素晴らしい遺跡の数々でした。出口ゲートを出てすぐのところにある Madras Coffee House という店で、昼食をとりホテルにもどりました。

 

昼食のターリー