悠久の風に吹かれて

Blowin' in the Eternal Wind

インド旅行11 チェンナイ州立博物館

いよいよインド旅行最終日です

本来の計画では、この日カンチープラムに行って寺院の観光をする予定でした。しかし炎天下の中連日のハードなスケージュールで体が参ってしまっており、もっとイージーな予定に変更して、チェンナイ市内の観光をすることにしました。主な目的は書店で買い物することと、チェンナイ州立博物館に行くことです。

Higginbotham's 書店

今までのインド旅行では都市部でゆっくりすることがなありませんでした。チェンナイには大きな書店があるようなので、そこに行ってインドの遺跡関係の本を買って帰りたいと思いました。朝はホテルでゆっくり過ごして、11時ごろエグモア駅の陸橋を渡ってメトロの駅に向かいます。メトロのLic駅で降りて Higginbotham's という書店へ向かいます。駅を降りて地上に出るとあたりはコロニアル様式の立派な建物が目につきました。イギリス植民地時代のマドラス(チェンナイ)の繁栄ぶりが偲ばれました。

 

 

コロニアル様式の建築物

 

Lic駅から書店までは歩いてすぐでした。Higginbotham's はインドで最も古い書店だそうで、白いコロニアル様式の外観が格調高さを示しています。店内はそこそこ広いのですが、アートのコーナーへ行ってみても、私の探している遺跡の本は見つかりませんでした、日本の漫画「ナルト」をヒンディー語に翻訳したものがありました。どうやらインドでの「ナルト」人気は本物のようです。

 

Higginbotham's 内の様子

 

その後、歩いてチェンナイ州立博物館に向かいます。その日はよく晴れており、歩いているうちに暑くて喉はからからなってきて、お腹も減ってきました。どこかで昼食を取り休憩しようと思いました。ちょうど博物館へ行く道の途中にちょうどVestin Park というホテルがあったので、そこのカフェで入ってみることにしました。ホテルならエアコンもあるはずです。

 

1階にあるホテルのレストランの昼の営業は終了しているようでお客さんもおらず、エアコンも切ってスタッフも休憩しているようでした。「ランチをとりたいんだけど、大丈夫ですか?」と尋ねると、年配のおじさんが「OK」と答え、私だけのためにわざわざエアコンを入れてくれました。チキンサンドイッチとアイスコーヒーをオーダーしました。アイスコーヒーを飲んでいると、さっきのおじさんが席に来て話しかけてきます。彼はレストランのオーナーのようで、私が日本人だと言うと、昔日本にいったことがあるなどと、スマホの翻訳アプリを使いながらしばらく話をしました。お腹もふくれて、涼しい場所で休んだせいで、また元気が出てきました。

チェンナイ州立博物館

そのあと歩いて10分ほどでチェンナイ州立博物館に到着しました。博物館は広い敷地の公園のようになっており、その中に20余りのイギリス植民地時代の建物が点在しています。建物赤レンガで作られていて歴史を感じさせるもので、昔は公的な目的で使われていたと思われます。まずチケット売り場で入場料250ルピーを支払いました。

 

博物館のチケット売り場

 

最初に私が最も好きそうな Bronze Icons Grallery [8]に向かいます。チケットを見せて中に入ろうとすると、入り口の係員に呼び止められました。話を聞くとカメラを持っているので入場料とは別に撮影料金が必要とのこと。急いで受付に戻って撮影チケットを購入しました。200ルピー。それから再び Bronze Icons Grallery に戻って入場しました。

 

敷地内の案内図

 

この展示館は冷房が効いていて、涼しくて快適です。館内には名前の通り青銅製の彫刻がショーケースの中に展示されていました。ヒンドゥーの神々の彫刻は色々な時代のものが集められています。大きさは余り大きくないですが、遺跡に配置された石像とはまた違った味わいがありました。

 

1-2階の展示室

 

3階の展示室

 

館内はそんなに広くはないですが、吹き抜けになった1、2階の展示室と3階の展示室の合計3フロアーあって、結構見ごたえがありました。

そのあと逆ウィング側にある Pantheon Gralleries Entrannce [9a] に行きました。ここがメインの博物館への入り口になっているようです。博物館の [9a] [9] は石彫彫刻の展示エリアになっていました。

 

[9a] [9] の展示室

 

しかしこれらの博物館の中は、先ほどと違い空調が効いていませんでした。館内はけっこう蒸し暑くて、見学していると汗が滲んできます。しかも館内はかなり広くて、彫刻のエリアの次には自然科学のエリアが続き、動物の剥製や鯨の骨格などが展示してあります。暑い中、流石にそういったものまで見て回れないので、途中で入り口に戻って館外に出ました。

 

博物館の建物

 

しかしこの博物館のコロニアル様式の建物は赤レンガとアクセントの白い帯がとても良い感じです。公園の中に休憩所のようなところで皆休んでいたので、私もそこでしばらく昼寝しました。

エクスプレス・アベニュー

そのあと、近くにあるエクスプレス・アベニューというショッピングセンターに向かいました。暑さで参っていたので、オートリリキシャを使いました。センター内に本屋があるようなのでそこに行ってみました。ショッピングセンター自体は最近できたもののようで、きれいで空調も効いており日本にあるものと遜色はなかったです。本屋では万引き防止のため、入り口で荷物を預けるようになっていました。本屋は結構広かったのですが、私が探しているような遺跡や寺院の本は余り見当たりませんでした。

 

エクスプレス・アベニュー内部

その後、ブラブラ館内を見学してるうちに16時半くらいになったので、メトロの駅まで歩いて行って、電車でホテルに帰りました。ホテルに着くなりバーに行き、食事をしながらゆっくりとインド最後のビールを味わいました。

チェンナイ空港へ

ホテルに帰り預けていた荷物を受け取り、ロビーでタクシーを頼みました。しかし電話ではタクシーが捕まえられないようで、わざわざ係の人が表に出て行ってリキシャを拾ってきてくれました。チェンナイではそんなにタクシーが少ないの?

リキシャで空港へ向かう

 

なんとか空港へ着いたのですが、ここでもまた問題発生。空港の出発ゲートではなく、空港の建物から少し離れたところでリキシャを降ろされました。どうやらリキシャはタクシーと違って空港の中まで入れないようなんです。思い返してみると、今までもインドの空港ではリキシャの停車しているところは、タクシーの停車しているところとは別になっていた気がします。しかし小さな空港では、それほど問題にはならなかったんです。

そこからスーツケースを引きずって空港の入口の方へ移動しました。入口らしきところでセキュリティの軍人がいて「ここからは空港には入れないよ」と言われました。私が困っていると、「あの人が今から出発ゲートに行くので、ついて行ったらいい」と若いインド人に声をかけてくれました。そのインド人についていき、エレベーターに乗ってフロアを上り、さらに数百メートル歩いてようやく出発ターミナルに到着しました。こんなの一人では絶対わからんわ!案内してくれたインド人に礼を言い、入り口のセキュリティを通りようやく空港の中に到着しました。

リキシャが入れない出発ターミナル前

チェンナイ空港内

さらばインド

カウンターでチェックインしてセキュリティも無事クリアしました。その後。空港内の売店でお土産を買って、レジに並んでいると後から来たインド人に割り込みされそうになりました。インドあるあるです。しかしレジの店員が機転をきかせて、こっちの人が先に並んでいたと言って、先に精算してくれました。インドにはうざい人も多いですが、ちゃんとした人もたくさんいます。

バンコク行きの便は1時10発の深夜便だったので、空港の出発ゲートでかなり時間をつぶしましたが、無事定刻に出発しました。今思うと、インド最終日にカンチープラムに行けなかったことが悔やまれますが、チェンナイからも近いしまた今度来る機会もあるでしょう。10日間インド滞在でしたが、色々と思い出に残る旅行になりました。まだアジャンターやエローラの石窟寺院も行ってないし、マイソールにホイサラ朝の素晴らしい寺院もあるので、また今度インドに行ってみたいです。